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ボートフィッシングに関する情報をお届けします。

カヤックのそばを通るときは徐行?カヤックは船舶に該当?海上衝突予防法とプレジャーボートのマナー。

こんにちは。今日は船舶の通航の安全についてです。

 

船舶交通の安全を図るため、1972年国債海上衝突予防規則(条約)に則り、船舶の遵守すべき航法、表示する灯火、形象物、信号などに関して必要事項を定めた海上衝突予防法が制定されました。海上衝突予防法は一般法であり、特別法として、港内の航行の安全と港内の整頓に関することを定めた港則法、特定(輻輳)海域での交通の安全について定めた海上交通安全法があります。また、各自治体によって、プレジャーボート等による水域の適正利用やその航行に伴う危険防止を図ることを目的とした条例などが定められています。

 

近年、シーカヤックなど手漕ぎボートによる釣りが、比較的手軽に楽しめること、プレジャーボートに比べ経済性で有利なこと、許可が得られれば好きな場所で船出しできること、プレジャーボートよりさらに大自然と一体感を味わえること等々を理由に大変人気を集めています。

 

手軽な反面、艇体は小さく、波浪の影響を受けやすいため、操船にはそれなりの経験と熟練が必要な船ということもできます。

 

プレジャーボートなど、動力船が付近を通過すると、引き波の影響をもろに受け、大変危険です。

参考動画です。


【本当にあった怖い話】これからカヤックフィッシングを始める人は必ず見て下さい。引き波で死ぬかと思いました。

 

投稿者がシーカヤックによる釣りをしていたところ、動力船がシーカヤックの真横を高い速力で通過し、その引き波によって大変怖い思いをしたという内容の動画になっています。

 

ここで、当該動力船に航行上の問題はなかったのか、あるいは、シーカヤックがその場で釣りをしていたことに問題はなかったのか、悪いのはどっちか、と疑問が湧いてきます。

 

当該シーカヤックと当該動力船の航法はどのように考えればよいでしょうか。

 

まず、法律上シーカヤックが船舶に該当するか調べてみました。

 

海上衝突予防法第3条1項に船舶の定義について次のように定められています。

第3条第1項 この法律において「船舶」とは、水上輸送の用に供する船舟類(水上航空機を含む。)をいう。

なるほど。同項の規定によって、シーカヤック海上衝突予防法上は船舶と定義されていることが確認できました。

 

港則法には次のとおり記述されています。

第3条第1項 この法律において「汽艇等」とは、汽艇(総トン数二十トン未満の汽船をいう。)、はしけ及び端舟その他ろかいのみをもつて運転し、又は主としてろかいをもつて運転する船舶をいう。

ろかい船がまさに手漕ぎボートのことであり、港則法では、シーカヤックは汽艇等に該当することがわかります。

 

海上交通安全法では次のとおりとなっています。

第2条第2項第1号 船舶 水上輸送の用に供する船舟類をいう。

海上交通安全法でもシーカヤックは船舶に該当することがわかります。

 

シーカヤック海上交通に関する法律において船舶と定義されているということがわかったところで、次は、プレジャーボートとシーカヤックがすれ違ったり、互いに追い越したり追い越されたりする場合の航行ルールについて考えていきましょう。

 

 

 海上衝突予防法では、互いに船舶の視野の内にある船舶の航法について次の項目ごとに定められています。

 

帆船と帆船の航法

 

追い越し船の航法

 

2隻の動力船が行き会い船の関係となる場合の航法

 

2隻の動力船が横切り船の関係となる場合の航法

 

シーカヤックは船舶には該当しますが、帆船でも動力船でもありません。したがって、プレジャーボートとシーカヤックが互いに付近を航行するときに明確な優先関係は定められていないというのが結論となります。

 

一方、同法第5条には「見張り」に関して次のような規定があります。

「船舶は、周囲の状況及び他の船舶との衝突のおそれについて十分に判断することができるように、視覚、聴覚及びその時の状況に適した他のすべての手段により、常時適切な見張りをしなければならない。」

船舶にはプレジャーボートもシーカヤックも含まれると解されますので、お互い見張りは怠らないようにという規定となっています。
 

ということで、我々プレジャーボートで航行する人は、見張りを怠らないことはもちろん、カヤックの近くを航行する際は引き波を立てないよう細心の注意をする必要があります。他方、カヤック乗りの人は付近の見張りを怠らないようにし、プレジャーボートなどの航行海域となっている場合は引き波などに十分注意して航行しなければなりません。

 

特に水上は水域の利用区分が明確になっていないことが多いため、様々な人がその水域を利用することになります。

 

みんなの海です。お互いに譲り合って安全に航行しましょう。というのが結論となりそうです。

 

それでは。

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