こんにちは。海で使用する船外機は常に塩害のリスクに晒されています。今回は船外機を塩害から守るためにできる日常のメンテナンスについて紹介します。
筆者が釣行後必ず行っていること。それは船外機のフラッシング、すなわち、船外機の冷却経路の水洗です。
水冷式の船外機はエンジンの冷却のため、海水を利用します。船外機にはプロペラの上部に冷却水取入口があり、ドライブシャフトと一体となったウォーターポンプ(インペラー)で海水を汲み上げて、冷却経路を循環させます。これでエンジンの冷却ができるという仕組みです。
冷却経路には海水が循環することから、船外機の使用後、そのまま放置すると、海水に含まれる塩分が船外機内部に残留することになり、金属部品の腐食のリスクが高まります。これを低減するために、真水による冷却経路の洗浄を行うわけです。
それでは具体的な方法。
ヤマハの船外機には水洗装置が標準装備されています。旧モデルは装備されていないものあります。ここに専用のフラッシングデバイス用コネクターを接続します。フラッシングデバイス用コネクターはオスネジ側が3/4インチ、反対側は水道ホースが接続できるよう、15mmたけのこ継手となっています。
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陸上保管などで、水道設備が近傍にある場合はこのフラッシングデバイス用コネクターに水道ホースを接続して、蛇口から直接水道水を送り込めば良いのですが、係留保管の場合は水道設備が整備されていないことが多く、そうもいきません。
筆者の場合は、予め20リットルのポリタンクに水道水を準備して、それをビルジポンプで汲み上げて、水洗しています。
エンジンは停止させて行います。
ビルジポンプはこちら。(株)工進の海水に対応した1インチの水中ポンプです。全揚程4m、吐出量は63L/minですので、十分な能力があります。ただし、吸い口とポンプが構造的に一体となっていますので、サイズ的にポリタンクから直接吸水することができません。上の写真のようにポリタンクの水を一旦バケツなどに汲んで、それを吸水することになります。20リットルの水洗に要する時間は概ね5分程度です。バケツに汲み替える手間を省きたい場合は、吸水管がセパレートタイプの構造のポンプを選択すると良いと思います。この場合、価格が若干割高になるのと、吐出量が一体型の物に比べやや落ちるものが多いので留意してください。
吸水管がセパレートタイプのビルジポンプ。
船外機の水洗装置のキャップを外したところです。水道のユニオン継手のような形状をしています。ここに、さきほどのフラッシングデバイス用コネクターを接続。
検水孔からの水の出具合を確認しつつ、ポリタンクの水がなくなるまで通水させて完了。
なお、船外機の取扱説明書には、水道水を15分供給させてくださいとの記載があります。十分な設備が整っている場合は、十分に供給してあげましょう。筆者の環境では15分供給させ続けるのは困難ですので、20リットルの供給としています。
以上、船外機の日常のメンテナンスについて紹介しました。